グランドスタートは朝7:00。予定通りウランバートルを#1のガストンがスタートしラリーレイド・モンゴルの幕が開けた。このCP(チェックポイント)まで我々は約10時間かかったが、おそらくエントラントは2時間ちょっとで到着するはずである。その到着時間をチェックし、スタンプを押すのが我々の仕事である。 9:30頃には早くも何台かのバイクが通過。その後も順調にエントラントが通過して行き、最後はやっぱりジムニーだ。リエゾンなのに「全開だけどタイムギリギリだよ!」と叫び、去っていった・・・なんだか楽しそうだけど、大丈夫か? |
![]() |
14:00にCPをあとにし、オンコースを最後尾から進む。残りのリエゾンは100kmの舗装路のため順調に消化。SSに入り始めのうちはハイスピードのピスト走行が続くが、その後は岩場あり湿地帯ありの変化に富んだコースで極端にアベレージスピードが落ちる。さらに、ピストが起伏の多い斜面にそのまま出来ているため、車体が傾いたままでの走行を強いられる。どうやらモンゴルにはこれが多いらしい・・・。車高の高いトラックにとって、この”ななめばしり”はこの上なくイヤなものである。「博っちゃん、あれ行くの?」「やだねぇ」「ホント、やだねぇ」と言いながらも行くしかないのである。もちろん”ななめばしり”中は、3人とも顔が硬直し無口である。ラリー最初のSSだというのに容赦ない。「モンゴル万歳!ありがとう山田さん・・・」
そのような中、今日の難所である3000m級の峠越えと誰もが(オフィシャルの)埋まると言われている恐怖の湿地帯ポイントを明るいうちに通過したいという一心で1度も休むことなく走り続ける。そして日も傾き始めた20:00頃、峠越えに突入した。パワーのあるカミオンバレーはグングンと山道を登って行く。すると、毛のふさふさした巨大な犬(?)がたくさんいるではないか。それにしても牛のようにデカい。「なんだあれは?」と通訳のハグアーに聞いてみると「あれは山牛(ヤク)と言います。」とかえってきた。やっぱり牛なんだ(ヤクは牛ではないらしい)。それにしても見れば見るほど異常にデカい犬である。 |
![]() |
油圧ジャッキでタイヤを上げようとするが、ストロークが足りなく上がらない。悪戦苦闘しているところに#9高橋さんから「リタイヤする。」と無線が入った。どうやら#6福田さんと一緒にいるらしい。ということはオンコースと反対の道。タイヤ交換を諦め救助に向かった。始めはまだ走ると言っていた#6福田さんもリタイヤすることになり、2台のバイクを回収。タイヤ交換も行い、いざ出陣となるが、すでに1:30。 峠を下り、湿地帯の通過ポイントを探すが真っ暗闇でなかなか見つからない。湿地帯の周りを何度もさまよっていると湿地帯を横切る一本のピストを発見!そこに四輪の通ったあとを確認したため、喜び勇んで飛び込んだ・・・これが大きな間違いであったと気付かされたのは、ほんの数秒後であった。
あれ程「あそこは危険だから気をつけろ。」と言われていた地点でのスタック。確かにパンクなどで大幅に遅れをとり焦りがあった。なかなかピストが見つからず、車内は少しイライラムードであった。ピストを発見し一瞬でもホッとしてしまった。心理的に色々な要素が重なったが、要は経験不足。車を降りて自分の足で確認するべきであったのだ。それもこれも後の祭り。深夜の脱出作戦が始まった。 |
TOTAL 236km |
走行時間 12時間 |
![]() |
![]() |
![]() |