さてさて、”恐竜の谷大作戦”。さぞかしすごい大作戦であろうとワクワクしていると、要は残っている車両・ヘリでなんとかやりくりしていこう、という極々単純なものであるが、各々の負担はそれまでよりも当然大きくなる。でもって、我々カミオンバレー隊にはSS2のスタート作業が言い渡された。 ここでオフィシャルの役割分担について簡単にふれておこう。まずは本部隊。ラリーの総責任者である山田会長は、常にラリー全体の様子を把握し、ビバークでも指揮をとらなければならないため、ピューンとひとっ飛びのヘリコプター。ラリー中の緊急救護のメディカル隊も同行する。ヘリとは別に車やトラックからなる大編隊で、陸路を移動する本部隊は2班。キャンプ地を設営する機材や食料など、輸送する物資はものすごい量である。この2班が交互にビバーク地を造っていく。基本的に迂回路を走るのだが、ただでさえアベレージの上がらない大編隊での走行で、ラリー車よりも早くビバーク地に到着しなければならないので、移動の時は当然走りっぱなしである。この人達がビバークを設営しないと、ビバーク地はただの大草原である。もちろんそんなことは許されないのである。チェックポイント(CP)でのゴールやスタートのチェック、レストコントロール(RCP)での選手への燃料補給などを行うのがCP隊である。とにかく走るCP隊は、CPで全員の通過を確認すると昼でも夜でも走り続けるのである。そして最後尾はカミオンバレー隊とメディカル隊である。その最後尾であるはずの我々が、寝静まっているビバークを後にする・・・。 |
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慌ただしく腹ごしらえをして、2:00にビバークをスタート。これから目指すSS2のスタート地点は、昨晩に我々がキャンプをはった場所。ちょっと前に走ってきた逆コースなだけに全開走行。5:00、アベ40km/hでオリアスタイの町に到着。到着してすぐにカミオンバレーに乗せっぱなしであったバイクを他のトラックへ乗せ換えることになったが、博ちゃんがひたすら運転していた僕を気遣って、仮眠をとらせてくれた。かなり助かった。 8:00過ぎくらいかなぁ、起こされたの。ボーっとした頭でタイムチェック。SS1とSS2の間のリエゾンは10km弱。タイムは1時間あるので、SS2のスタート地点は選手のちょっとした憩いの場。選手全員のスタートチェックを行い、11:40カミオンバレーの本来の仕事である最後尾からの追走を始める。初めのうちは、ボロボロになった丸太で造られた穴だらけの橋に手こずったが、慣れてくるといちいち気にしていられない。メリメリと聞こえてこようが、バキバキと聞こえてこようが、全速力で突き抜ける。だって、そうするしか無いんだもの。。。その後はとにかく順調だ。ハイスピードピストが続き、リタイヤ者もなく、順調に距離を消化。最後はさすがにバテて幻覚を見ながらの走行となったが、0:55なんとETAP5のビバーク地に到着。おいしいおいしい日本食を頬張る。やっぱりビバーク地はいいものだと心の底から感じていたこの時は、まさかここが最後のビバーク地になるとは知る由もなかった・・・。 |
TOTAL 466km |
走行時間 13時間 |
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