力尽きたといっても、倒れてしまったわけではない。夜間走行はペースが上がらないので、いっそのこと少し休んで、日が昇ってから走り始めようということ。で、6:20もうろうとした状態で再び走り始める。食事は毎度の事ながら、菓子パンとカールを走りながら頬張る。ちなみに菓子パンは小倉小町、いちご小町、スイート小町、デニッシュクリーム、イタリアンワッフルの5種類である。スポンサーの方に感謝をして、ありがたく頂いているのだが、さすがに毎日毎回こればかり食べていると、どれを食べても同じ味がする。そんな食事をとりながらでもペースは落とせない。
9:00、約120km走り、”恐竜の谷”にある昨日(ETAP6)のCP2で本部への連絡がてら、少し早めの昼食をとることにした。今回のラリーで止まって昼食をとるのは、初めてのことである。ビバークになかなかたどり着けない我々は、支給された食糧(さっきの菓子パンとカール)も底をついてきたので、豪華に”韓国製インスタントラーメン”。もちろん激辛である。どうやらハグワーの口には合わないようで、「辛いねぇ、辛いねぇ」と言いながら、とにかく腹に詰め込んでいる。仕舞いには、水を入れてうすめだした?!すごくまずそうだ。その後は余裕のコーヒータイム。”恐竜の谷”で優雅にコーヒーをすすり、タバコを一服。ん〜、元気回復。そして10:30、再スタートをきるが、”恐竜の谷”の出口でアクシデント発生!
そこは高さ3m程の岸壁の切れ目を抜けた所で、道幅はトラックギリギリ!両サイドは高さ1m程の岸壁で、少し右にカーブをしている。オーマイゴット!(死語)通れないではないか!という所。とりあえず、運転席側のタイヤを確認しながらジワジワと進み、前輪はなんとか抜けたのだが、最後にあった段差の衝撃で右リアタイヤの側面をカット!あえなく3度目のパンクとなってしまった。辺りはゴビの大荒野。恐ろしいほど太陽が照りつける中、1時間をかけてタイヤ交換。さっきまでの至極の時は夢まぼろしか・・・。

その後もギャップのひどい悪路と酷暑に悩まされながらも、16:40、無人の広野とかしたETAP6のビバーク地に到着、っていうか通過。途中でバイクを1台回収し、ETAP7-75km地点の町で燃料補給。そのついでに食糧調達をしようと店を探すが、これがまた大変。当たり前だがコンビニは見当たらない。なんとかハグワーの聞き込みによって、店のオーナーを知っているという人物を発見。彼をトラックに乗せて、オーナー宅をご訪問。そこで店の親父と娘(店番?)を乗せて、やっとの思いで店に到着。飲み物やクッキー、缶詰(ハグワー用)等を購入。冷えてはいないがやっぱりコーラは旨かった。
21:50、町を後にする。暗闇の中を東に車を進めるが、なかなかペースは上がらない。仕舞いにはルートを見失い、気が付いたらちょっとした砂丘地帯にまぎれこんでしまった。明るいうちであれば、なんて事はないはずであるが、暗闇の中では脱出口が見当たらない。このままではスタックの危険もあるので、比較的安全な場所に車を移し、12:40ビバークを張る。ETAP7の約150km地点。本当はもう少し進みたかったのだが・・・。

TOTAL  415km
走行時間 18時間20分