朝6:00起床。広大な大地での朝日はやっぱり気持ちがイイ。暗闇の中では分からなかった辺りの地形は、メインピストさえ外さなければなんて事はない。昨晩は自分たち自ら、メインピストを外れていたのである。やはり暗闇は恐ろしい。
今日はなんと言ってもラリーの最終日。午後にはウランバートルで完走者によるパレードが開かれるのだが、ウランバートルまで残り800km以上もある我々にとっては無縁の世界。明日の表彰式どころか帰りの飛行機に乗れるかどうか、危ぶまれているのですから・・・。6:30、走行開始。おそらくパジェロやテラノであればなんともない道であるはずなのだが、このカミオンではなかなかペースが上がらない。途中、ところどころにある湿地帯にビクつきながらも、とにかく前進を続ける。
車内では、このところめっきりと口数が減ってしまい、とうとう昨日から話しかけても口を開かなくなってしまった通訳のハグワーが二歳になる子供の写真をボーっと眺めている。かなり怪しい。あまりのハードワークにホームシックにかかってしまったらしい。しかも、今日のゴール地点で妻との再会が絶望的になってしまった彼は、今やただの石と化してしまった。
11:00、スタートしてから140km地点にあるバヤンダサイの町に到着し、燃料を補給。本部と連絡をとり、昨日のETAP7の行方不明者がいないのを確認したため、ショートカットコースを選択。これによって約100kmの短縮となった我々は気分良く再出発。この辺り一面の大草原は「これぞモンゴル!」という素晴らしいロケーション。このフラットな草原でアベ70km/hを記録したため「もしや今日中に・・・」と期待膨らむが、ETAP7のビバークを通過したのが18:00で残り400km。今日中の到着を諦め、ドライブイン(?)で夕食をとることになった。

このドライブイン、道端にあるただのゲル。どうやら看板に”お食事処”と書いてあるらしい。薄暗いゲルの中にはちゃぶ台が5つ程あり、どのテーブルも長距離トラッカー(?)で埋まっている。”本日のディナー”(もちろんメニューはこれだけ)を注文すると、羊肉の焼きそばみたいなものが出てきた。旨い!という程のものではないが腹の足しにはなる。これで、3人食べて約200円!異常に安い。その後は5時間で150kmという、いつものペース。ウランバートルまで200kmを残し、1:40、ピストの脇でビバークをはる。なんとか明日には着けそうだ。

TOTAL  564km
走行時間 19時間10分